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インタビュー

約10年間で神谷デザイン事務所が手がけた店舗は1000店を超える。「ただ格好の良い店をつくることが店舗デザイナーの仕事ではない!手がけた店が繁盛して、初めて仕事の完成となるのだ」と語る、神谷会長が思う飲食業界の今と未来のあるべき姿とは…。

本社名古屋を1987年に設立し、今や東京、大阪、福岡、韓国に支社を持ち、国内外を問わず、アメーバ的広がりをみせる神谷デザイン事務所。1000件以上の店を手がけた豊富な体験の中から考え出される繁盛店の秘訣を代表取締役会長・神谷利徳氏に聞いた。



――海外との関わりやマーケットについてはどうお考えですか?

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現在、国際陶磁器フェスティバルをプロデュースしていますが、実は中国の方がお値打ちで良い製品をつくることができるんです。私たち日本人が思っているほど、中国の技術が低いわけでもないし、管理さえしっかり行えば高品質で低価格なものができる時代になっています。

では、アジアの人たちが日本に何を求めてくるかというと、より価値観の高いものなのです。これは飲食店に関しても同様に言えることで、我々が悪かろう、安かろうでやっていたら、いずれ安価で上手くモノマネのクリエイティブができる中国や韓国に追い越されてしまうでしょう。

日本が唯一、兄貴分でアジアに提案していけるのは、空間の提案力とサービスの細かさ、日本の伝統美だと思います。

世 界へ出て行くにせよ、日本で世界の人を受け入れるにせよ、日本のアイデンティティをしっかり持つことが大切です。時代の価値観が大きく変わっていく中で、 揺らがないのは自分たちの持っているDNA。それをしっかり持って、サービスレベルを上げていく必要があると考えています。

 

 ――最近、海外へ進出したいと思っている方へのアドバイスは?

海 外は単純にビジネスチャンスがあると思いますね。日本のサービスとデザイン、クオリティで十分ビジネスになると思いますが、それ以上にリスクもありますか らそのあたりは事前に情報を収集すべきだと思います。一番、問題なのは日本人と食事の仕方が違うのに、それを無視して提供しようとしてしまうところです。 きちんと海外でのNGワードを把握してからスタートしないと危険ですから。

 

――神谷デザインの海外サポート事業は?

韓国は立ち上げて5年になります。次は香港を考えていますが、理想としてシンガポールですね。シンガポールを拠点にすると、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムまでマーケットがありますから。上海だと韓国、北京、モンゴル、香港まで、プラス東京も入れてという商圏。香港というのは、その中間で香港だけのマーケットもありますし、3時間くらいの距離なのでストレスなく行き来できますからね。シンガポールへ行くとなると、完全にアジアのマーケットを制しにいく場所なので、当社規模ではまだ香港だと思っています。

 

――神谷デザインの組織作りや今後の方向性について

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僕が考える組織作りは、ピラミッドではなくアメーバなつくりです。例えば僕が象徴的な中心だとすると、次の階層は僕の下にあるのではなく、円をかくように僕の周りにアンテナを張っていて、そこからまた次へと。

それぞれがハブとして機能し、自分たちの触手を伸ばしてネットワークをつくっていく感じですね。一方通行のネットワークではなく、こっちとも、あっちとも、3つ向こうのスタッフとも手を繋いだり。一人のスーパー経営者の考えだけに皆が従ってやるのではなく、トップの考えや思いをオリジナルで考えて行動できる社員を育成する組織づくりが大切だと考えています。

大阪や福岡も含め、今後は全国に繁殖していきますよ。会社を大きくするというよりは、先端いる社員たちが増殖していくことが会社としての生命であり、意義だと思っていますから。

 

 

企業データ

会社名 : 株式会社 神谷デザイン事務所

本社所在地 : 愛知県名古屋市中区丸の内2-18-14 ICP丸の内ビル5F

社員数 :30名

資本金 : 1200万円

URL : http://www.kamiyad.jp

 

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