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インタビュー

全国に「名古屋めし」の文化を発信する「世界の山ちゃん」。地元の名古屋人に愛され、関東や関西、しいては海外からも愛される秘密とは。社長の山本氏に迫る!

地元名古屋を中心に、今や関東、関西、海外にも出店し、合計61店舗を展開する「世界の山ちゃん」。おなじみの同店だけではなく、農業プロジェクトやラーメン店なども積極的に展開し、手羽先以外の商品へも尽力している。そんな株式会社エスワイフード(名古屋市中区 取締役社長・山本裕志氏)の今後の展望とは。名古屋の食文化を牽引する同社の展開を、山本氏に伺った。


――全国各地から低価格の居酒屋が参入してきたことについてどう感じますか?

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確かに東京の方を始め、全国各地からいろんな居酒屋が参入していますね。しかし、じゃあ「山ちゃん」も低価格で、という訳にはいかない。やっぱり適正価格は必要だと思うんです。とは言っても、やはり低価格店の影響を受けている店舗もあるのは事実です。しかし「山ちゃん」としては、価格競争に足を踏み入れるのはやっぱりしたくないんですよね。商品力はもちろんですが、店長の人間性や店の雰囲気など、そいういうところで勝負できればなあと思っています。一回二回は他の店に行ったとしても「やっぱり山ちゃんがいいな」って戻って来てくれるような店にしなさいよ、と各店長にはいつも話しています。 東京などの激戦区では「250円均一」なんて店があったりしますよね。確かに「○○円均一」なんて言われると、会計は分かりやすいです。しかし、均一にしている分、必ずしも単価が安い訳ではなくて、「山ちゃん」の方が安い商品もあるんですね。分かりやすい会計はひとつの魅力かなとは思いますが、「山ちゃん」では適正な値段設定というものを大切にしていきたいと考えています。
 

――店のファンを獲得する方法は?

それは、マニュアルを会社から通達をするのではなく、店ごとでルール決めてやって欲しいと考えています。ファン作りの一環としてツイッターを使ったり、メニューに工夫をしたりなど、店舗ごとのファンを増やすべく集客に情熱を傾けるように話していますね。いつも店長クラスの人間には「自分の店は自分で集客してくれ、もし自分で店を出したら、友達や家族親戚などに必死で声をかけるでしょ」と話しています。
会社ももちろん全力で頑張りますが、やっぱり店長が自分の店にファンをつけないとね。会長が昔から言っていることですが、「店の店長が“山ちゃん”」なんですよ。自分の力で店のキャラクターを作って、繋がりを作って行って欲しいと思いますね。店長自らジタバタしてくれ、と言いたいですね(笑)。
 

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――今の鶏ブームを受けて、「山ちゃん」が新しい商品を出すことは?

手羽先に継ぐ新商品っていうものは、永遠のテーマですね。昔から試行錯誤していますよ。手羽先というのは、やっぱりインパクトがあって強すぎるんですよね。強い分、そこに頼ってしまうのが会社の強みであり弱みでもあるんです。名古屋の味ということで、味も強いですしね。はっきり濃い味付けっていうところで受け入れられていますから。
あとは、ラーメン店も出店しているんですよ。こちらもまだ試行錯誤なんですが…(笑)。個人店だったら繁盛店なんですけどね。会社でやってると見えない経費がいろいろかかりますからね。仕込みとか片付けとか、人件費がかさむ。給与計算に対して、今は役所もなかなかうるさいですから(笑)。 ラーメンの味については社員総出で意見を出し合いました。それはもういろんな提案があって、試行錯誤ですね。正直、一杯で勝負できるような強い商品があれば楽で効率がいいんですが、今はいろんなメニューを試し試しやってます。ラーメンってホントに儲かんないんだなっていうのが正直な感想ですね(笑)。手羽先に頼らない営業というのがひとつのテーマでしたので、鶏ガラじゃなくあえて豚骨を使ってみたり、店の作りも「山ちゃん」とは違ったデザインにしてみたり、エスワイフードとしての新たな可能性を開拓しています。
実は関東の「山ちゃん」で台湾ラーメンを出している店舗があるんですよ。結構売れ筋の商品になってます。あとは、味噌煮込みをやってたり、あんかけスパをやってたり。「名古屋めし」といううたい文句をもとに、店ごとに変化をつけていますね。オープン時から「この店はこれ」と、名古屋らしいメニューを打ち出し、手羽先だけではないバリエーションをつけています。向こうでオペレーションが確立されて、名古屋に導入されるということもあるんですよ。

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