2011年9月、名古屋駅のミッドランドスクエアから徒歩1分というアクセス良好のビルに新しく焼肉店「それいけ精香園」がオープンした。昔の下町にあったような懐かしい木調の外観はつい足を踏み入れたくなってしまう。
実は同店、昭和34年から平成9年に名駅エリアで愛され続けてきた「精香園」が復活した店。一度はクローズしていた同店だが、創業者神野登治氏の孫である恭寿氏が「景気が悪く元気がないおじさん達に、精香園の肉を食べて元気になってもらいたい」という強い思いで復活させた。
と言っても閉店から10年以上たった今、当時の名店の味を復活させるのは簡単ではなかった。オーナーがたまたま訪れた焼肉店で当時の従業員だった現在の料理長の杉本氏と奇跡の再会。オーナーと料理長の二人三脚で現在の「それいけ精香園」のメニューを完成させたのだ。
まず肉は国産牛の上質なものを中心に揃えた。一番来てもらいたい「おじさん」達が大好きな内臓系の肉に関しては特にこだわりを持って仕入れているとのこと。上ロース(1520円)、上ホルモン(730円)、上ミノ(880円)は一口食べるだけでその味の違いに驚くだろう。
またメニューを開発する中で最も力を入れたのは精香園時代からの看板メニューであるカルビクッパ(1080円)だ。当時を知る客から同じ味だと言わしめた定評のあるスープに大きなカルビと具沢山の野菜。一口食べただけでは感じないが後から後から迫る心地よい辛さが絶妙だ。当時の店を知る人も知らない人にもぜひ味わってもらいたい一品だ。さらに焼肉店に欠かせないキムチなどもすべて店内でイチから漬けている。オーナーと料理長が試行錯誤して作り上げた味は満足間違いなしだろう。
さらに焼肉に欠かせない酒についても同店ならではのこだわりがある。ビールやチューハイ、日本酒などはもちろん揃えているが、同店が力を入れているのがワイン。料理も酒も舌の肥えたおじさんたちに肉とワインを一緒に味わってもらいたいと各国のワインを揃えている。市販価格にプラス1000円とお得感もたっぷり。ワインと肉のコラボレーションを堪能してもらいたい。
現在、訪れる客の多くは昔からの常連客と名駅エリアのサラリーマンが中心。頑張って働くおじさん達にもっともっと来てもらいたいそう。今後は名古屋の地を拠点に多店舗展開していきたいと熱く語る恭寿氏。時を経て復活した精香園が、現代の名古屋のおじさん達にどう愛されどう成長していくのかしっかり見守り続けたい。
(取材=中村京子)
店舗データ
店名 | それいけ精香園 |
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住所 | 名古屋市中村区名駅4丁目4-31 マルケイ観光ビル2F |
アクセス | 名古屋駅から徒歩3分 |
電話 | 052-551-2555 |
営業時間 | 17:00~24:00(LO 23:30) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 42坪68席 |
客単価 | 4500円 |