大須エリアの矢場町からもアクセス良好な大津通り沿いに「肉そば なおじ」がオープンした。実は同店のオーナーは東別院にある無化調ラーメン(化学調味料を一切使用しないラーメン)で有名な「麺家 喜多楽」と同じ。今回オープンした「肉そば なおじ」は喜多楽の2号店ではなく全く違ったコンセプト、ブランドの店として出店したとのこと。
店内はラーメン屋とは思えないモダンな内装。木のレンガが壁一面に無数に貼りめぐらされ、カジュアルだけれど「外食に来ている」という非日常を感じられる作りになっている。まるでカフェのような照明で女性客が一人でも入りやすい印象だ。客席はすべてカウンター席で、目の前でラーメンが作られているライブ感も楽しむことができる。
同店を出店する際、オーナーが一番大切にしたことは「ラーメンを大衆食に戻したい」ということ。昨今のラーメンブームで巷には似たようなラーメンばかりが増え個性が少ないこと、ラーメン通の人にしか愛されないようなラーメンが主流になってきていることに危機感を持ち、高齢化社会に向けてどの年代の人でも食べられるような胃モタレのしないラーメンを作りたかったそう。インパクトはないかもしれないが、飽きのこないシンプルなラーメンを作りたくて出店を決めた。
ラーメンのスープは豚骨ベースに清湯(チンタン)スープ、そして岐阜のしょう油メーカーにオリジナルで作ってもらったこだわりのしょう油をブレンド。決して多いとは言えない6-7種類の選びぬかれた素材を絶妙のバランスで仕上げており、あっさりとしたシンプルなスープの中に素材本来の味が楽しめるスープとなっている。インパクトのある具材は通常のラーメンではチャーシューを使用するところ、食べやすさを考慮して豚バラ肉にアレンジ。ただ湯通しするのではなく、手間をかけて下ごしらえした豚肉は大量にも関わらずペロリと食べてしまう女性客がほとんどだそう。
そして最大のポイントはボリュームと価格。一番人気の肉そばで肉100g、もやし100g、麺200gと見た目にも分かるがボリューミー。これが630円で食べられるのだから満足感たっぷり。誰もが食べやすいラーメンをと考えた時に、味だけでなく低価格であることも重要というオーナーの思いの価格設定だ。
今後はさらにラーメンのクオリティを上げたいと語るオーナー。女性向けのメニューも開発中とのことだ。ラーメンブームの中であえて独自のラーメン道を突き進む同店が、今後大須の街でどう成長していくのか目が離せない。
(取材=中村京子)
店舗データ
店名 | 肉そば なおじ |
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住所 | 名古屋市中区大須4-2-55 |
アクセス | 地下鉄上前津駅から徒歩5分 |
電話 | 052-253-9543 |
営業時間 | [平日] 11:00~14:00 、18:00~22:00 [土日祝] 11:00~14:30、17:30~22:00 ※スープがなくなり次第終了 |
定休日 | 月曜日 |
坪数客数 | 12坪10席 |
客単価 | 800円 |