7月6日、錦3丁目にオープンした「カモシヤ」(代表取締役 橋本雄生氏)が、しじみダシをベースにしたあっさり味噌おでんとワインが楽しめる酒場として注目を集めている。「絞り込んだ業態で出店したかった」という橋本氏は、料理人からワインバーを経て、ソムリエの資格を持つという一風変わった経歴だ。味噌おでん+ワインという発想もそんな経歴ならではだろう。 店名にも含まれている「かもす(醸す)」とは、酒や醤油などの醸造を意味する。「ワインも味噌も発酵してつくられるものだから、合うに違いない…」と考え、同店をオープンする際、日本全国を食べ歩き試行錯誤の末つくられたおでんのベースは、白ダシに味噌のコクがプラスされたような味わいだ。 名古屋人の味噌おでんと言えば、八丁味噌に砂糖をどっさり入れた、こってりとした甘い味噌味を連想する人も多いだろうが、ここカモシヤでは砂糖を極力使わずワインによって甘みを出している。また、鰹や昆布のダシが一般的だが、しじみでダシをとることで理想の味噌ベースに仕上がったという。 すじ煮(480円)や、大根、卵、こんにゃく、ちくわなどの単品おでんは150円~と、様々なつまみを食べたいという人には嬉しい価格。 ワインは常時ボトル(2500円~)で30種が用意されており、グラスワイン(480円~)も5種類から選べ、リーズナブルに提供。人気の自家製ジンジャエール(480円)は生姜やクローブ、コリアンダーなどを煮詰め、原液から手づくりでつくられており、ソムリエらしいこだわりを覗かせる。 デザイナーを使わず、自分たちで考えながらつくったという店内は、狭いながらもゆっくり過ごせる雰囲気。「味噌おでんとワインを楽しむ」というコンセプトが感じられる、どこか懐かしい空気を漂わせつつもセンスの良くまとめられている。 色とりどりのランプシェードや入り口の扉などは、ひとつ一つ橋本氏自らが選び、調達したという。大通りに面していながらも、古き良き下町にひっそりとある酒場を思わせる。 名古屋のこってり味噌おでん文化に新風を吹かすことができるのか?!同店の今後に注目したい。
(取材=伏屋みかこ)
店舗データ
店名 | カモシヤ |
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住所 | 名古屋市中区錦3-16-8 森万ビル1F |
アクセス | 地下鉄東山線・名城線栄駅3番出口より徒歩1分 |
電話 | 052-963-6730 |
営業時間 | 月~木16:00頃~24:00、金・土16:00頃~翌2:00 |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 14.5坪・24席 |
客単価 | 2800円 |