今や企業PRに欠かせない存在となっているツイッター。
飲食業界においても、情報発信や顧客とのコミュニケーションツールの一つとして注目を集めているが、効果的な活用法に関しては、まだまだ首を傾げる人も多いのではないだろうか。
2010年1月からツイッターを利用し始め、現在3万人以上のフォロワーを持つ薫田芳文氏(Well-Wisher.Com)に、ツイッターの本質や注意点、活用法について話を聞いた。
azuma はじめまして。フードスタジアム東海 編集長の東(あずま)です。
特集ではこれからお店を探している方と飲食店さんに有益な情報発信していきたいと思います。
第一回目の題材は、今話題の『ツイッター』について。
実際どういうものなのか?
どの様に使えばいいのか?
注意しなければいけない点はあるのか?
炎上しないか?
更新は手間でないのか?
こんな疑問について、徹底的に解剖していきます。
薫田さんはツイッターの達人と聞いたのですが、どの様に活用されているかも含め色々お話を伺いたいと思います。
私もツイッターしていますが、薫田さんは3万人以上の方にフォロー(支持)されてますね。
その辺りの秘訣もこっそり聞けると嬉しいです。
薫 よろしくお願いします。Well-Wisher.Comの薫田です。
ツイッターの達人というより、好きなだけなのですが、500時間ほどツイッターに時間の投資をしてますので、その中で得た経験や失敗談が少しでもお役に立つと嬉しいです。
ただ、実は僕も本腰いれてツイッター始めたのは2010年の1月からなんですよ。アカウント(ID)は2009年の夏ごろ取得しましたが、IDとパスワード忘れちゃって入れなくなるくらい放置してました(笑)。
秋ごろからまたIDをとったのですが、まわりに聞ける人もいなく、結局年を越すまで使っていなかったですね。このままじゃ、良いも悪いも分からないなぁと思い重い腰を上げたわけです(苦笑)。
僕はSNSの様な友達をつくる感覚ではなく、ビジネスとして活用できるかどうかの視点でツイッターをしたいと思っていたので最初は特に硬いツイート(=つぶやき)が多かったですね。
ツイッターのビジネス活用というと「儲かるか?」「労せず集客できるか?」こんな質問をされたり、思われたりしますが、そうでは無いんです。ツイッターの本質も含めお話できればと思います。
azuma まず、ツイッターって簡単に言うと何ですか?
薫 ツイッターは「今の情報を掴む検索エンジンと、人と人の間にある壁を飛び越えてコミュニケーションがとれるツール」だと思っています。
azuma そんな側面があるのですね。
ツイッターの事を「つぶやき」と紹介される事が多いので「暇つぶし」のように考えている方も多いと感じてましたので、すこし違った側面から見えそうですね。
薫 ツイートという言葉の意味も、「つぶやき」ではなく「さえずり」なんです。
「つぶやき」というとどうしても「独り言」の様なイメージが強いのですが、「さえずり」と聞くと「会話が飛び交っていそう」な感に変ります。この点を間違えて伝えられているのは事実ですね。
「飛び交っている情報」から使える情報を抽出したり、ためになる情報を見たりする事でツイッターの良さが生かされてくると思います。
azuma 実際、ツイッターを使って得た経験はありますか?特に飲食関係の成功事例はありますでしょうか
薫 そうですね。
私どもWell-Wisher.Comではツイッターの運用に対して、導入・設定・操作方法等の支援をパッケージ化しておりますので、ご要望範囲にあわせてご提供しております。今は最初の設定からのご要望が多いですね。
飲食店さんとツイッターはとても良い関係にあります。
情報の発信もコミュニケーションが取れるところも、即時性の情報や写真での表現もとても関連しており、ツイッターは利用できます。
事例としては、こんな試みを2010年3月に行いました。
通常、アンケートを取る場合は店内や街角で書いてもらいますよね?
それを、ツイッターでアンケートを取ってみたのです。
〔質問〕
居酒屋を選ぶ上で重視するものを中から2つから選んで下さい。
〔結果〕
質問を流してから10分で12件の回答1時間で30件の回答がありました。その後も回答していただき、かなりの情報を得ることができました!
ホームぺージは、そのあたりを生かして作成致しました。
こういう生きた情報が得れると、お店のPRをしなければいけない点がわかりますので、有益な情報かと思います。
〔事例〕
質問に対して、回答されているブログをURL載せて紹介した。
〔結果〕
1分で60クリック、3分で163クリックされました。
短時間のクリック率や数から短時間の伝播力に驚きました。
短時間での伝播力と、生の声を頂ける事もツイッターの凄いところであり、利用価値の高いところでもあると思います。
特に正直な意見を頂けると言うのはWebサイト制作の立場から言っても、とても勉強になりました。
azuma 情報収集という点で、有効に使えるのですね。その他に例はありますか?
薫 そうですね。実例としては、お客さんになりうる潜在顧客にアプローチできます。
自分のツイートの返信へのご対応や、エリアにお住まいの方に直接、アプローチツイートするのもいいかと思います。
その時の一番大きなコツは「売り込み」にならないことですね。アプローチの仕方等になると3時間くらい喋ってしまいそうです(笑)。事例含めてセミナー時にも、お話できればとも思っております。
azuma 色々と事例も増えてきそうですね。失敗談はありますか。
薫 今のところ失敗という失敗はないですね。
ただ、注意点はあります。大きなものを3点挙げますと、「売り込み過ぎは引かれる」「自動返信プログラムを利用しない」「インターネットの向こう側に"人"がいることを認識する」この3点は非常に重要な要素だと思います。
また、コツとしては、「楽しみながらやる」「強制しない、強制されない環境で行う」「お客さんの少ない時間にツイッターを使う」こんなところでしょうか。
メルマガやネット販売の手法とは違いますので、あまり売り込みせず、「ファンをつくる」気持ちで使用するのが良いですね。また、ツイッター自体を楽しまないと、それがツイート(つぶやき)にも出てしまいますので。
azuma なるほど。コミュニケーションの基本的な部分と類似しますね。
今後、飲食店さんでの利用場面は増えそうですか?
薫 増えてくると思います。
「ツイッターの飲食店の活用率は15%」というタイトルで、2010/6/2:日経レストランにはこんな内容について書かれてました。
内容を要約すると、利用については店の集客や情報発信、情報収集のためにツイッターを活用していると回答している方が一番多く、短期間で広がっている事も分かります。
ツイッターの利用方法については、割引以外の情報発信が84.6%で1位。新しい人脈づくり(69.2%)、既存客とのコミュニケーション(46.2%)、ツイ割などの割引サービスの実施(30.8%)と続きました。ただし、その効果については「まだ効果はない」との回答が半数以上でした。
つまり、利用価値が高いと考えられている方が多く、利用されている方も多いが、どう利用するのが良いのか、まだまだ試行錯誤されているお店が多いという事ですね。
一方で既に使っている人のうちツイッターを今後「もっと活用したい」と答えた人は、65.1%、まだ使っていない人の中で今後「使ってみたい」と答えた人も50%に上っていました。効果的な使い方が分からず戸惑いながらも魅力をツイッターに感じているお店さん、経営者さんが多いという事です。
ただ、僕のお手伝いさせて頂いているお店さんは少しづつ活用され始めています。『少しのコツと考え方がツイッターの成功を左右する』と考えていますので、そのあたりを、また突っ込んでお話できればとも思います。
azuma 概要やツイッター事例、他の飲食店さんが考えられている事を御伺いすることが出来ました。
次回は、基本的な操作や「最初のツイート(ひと言)は何を投稿すればいのか?」など実操作についてお聞かせ頂ければと思います。
薫 了解です( ^ ^ )
僕の恥かしいエピソードにも触れながらツイッター最初の一歩をお話させて頂きますね。
azuma お話ありがとうございました。次回も楽しみにしております。
これから始められる方や、始めているがまだ成果まで結びついていない方に、ひと言ありますでしょうか?
薫 ツイッターはまだまだこれからのサービスです。
成功事例は自分たちでつくるんだ、という気持ちでされていくのが良いと思います。
そのためのコツ等を飲食店さん向け分かりやすくご紹介できればと思います。
東海圏の飲食店さんが楽しくツイッター活用されると嬉しいです。
いちツイッターユーザーとしても、飲食店さんからの情報発信、楽しみにしております。