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インタビュー

名古屋名物とまで言われる手羽先の唐揚げ。創業31年もの間守り続けられた味と、愛され続ける山ちゃんを守る秘密とは。代表取締役会長である山本氏に迫る。

全国に75店舗もの「世界の山ちゃん」を展開する株式会社エスワイフード。長年に渡って守り続けてきた“山ちゃんブランド”や、人々に愛される店づくり、そして、今後の展望について、代表取締役会長である山本氏に聞いた。


――ここ数年の飲食業界の景気状況と、最近のアベノミクス効果についてどうお考えですか?


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そうですね、世間ではアベノミクスと言われていますが、あまり関係ないですね。正直な所、弊社の置かれている景気状況はあまり良くないので、効果を得ている店舗や業態があるとすれば羨ましいですね。景気については、私たちは山ちゃんというブランドで長年やってきて、古くからのお客さんもいますから、安定していると言えば安定しています。しかし、震災以降は厳しい状況が続き、なかなか回復できていないのが現状です。

 

――その状況について何か努力されていることはありますか?

常に何かやっていかないとダメだとは考えていますが…。売上の厳しい店舗に関しては、今までやっていなかった、100円ビールというセールを開催して、そこに幹部が行き、店の見直しをしたり、アドバイスしたり…。暇な店を忙しくして、忙しさの面白さを感じてもらったり、開店時の思いを伝えたり…、きっかけを作って売上を上げる努力はしています。だた、業績が伸びるところまでに至っていないのが現状です。

 

――会社として目指すところや、店づくりで努力されていることはありますか?


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前の質問にもありましたが、業績の良くないお店からセールを始めたり、様々な試みをしていますが、実際は店によってバラつきがあり、やり続ける店もあれば、そうでない店もあります。その中でもやり続ける事が重要だと思って、状況に合わせてできることをやってきていますが、4年くらい前から、お店に行った時に「楽しそうじゃない」という事を感じたんです。それまでは、いかにお客さんをびっくりさせて楽しませるかということを考える“作戦会議”というものをやっていました。そして、それが落ち着いたのがちょうど4年前で、作戦が落ち着くと同時にマンネリ化し、それと同じようにスタッフも楽しそうじゃなくなって。それではダメですよね。私が店にいってもバタバタ追われるだけで…。そうじゃなくて、お客さんに楽しんでもらう前に、スタッフも楽しまないと良くないとその時思ったんです。その頃のテーマが「立派な人間たれ」で、明るく素直に前向きにということを目指してやっていました。元々「立派な日本人たれ」だったんですが、外国人採用をするにあたって立派な日本人じゃダメだと言う事で立派な人間たれに変えたんです。でもこの「立派な人間たれ」だと、まじめなことばかりを覚えるだけで、面白さが足りなかったんです。働くスタッフが楽しむ為にはどうしたらいいか考えていた時に、関西でセミナーに参加する機会があって、そこで潰れそうになった会社がどう再生したかという興味深い話を聞きました。弊社もそれを活かそうとそこでアイディアをもらい、テーマを「立派な変人たれ」に変更しました。実際そのセミナーでは、アホになってお客さんをびっくりさせようっていう話だったんですが、関西で褒め言葉のアホは、名古屋や関東で違うし、そこでアホを「変人」というテーマに一新して始めました。

 

――変人っていいですよね!?色んな意味がありますし、テーマを変えて何か変わりましたか?


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実際は他がやっていることをマネたんですが、変人にすることにより自由度が高くなり、お客さんを喜ばす為の努力をするようになりました。クリスマスにトナカイの洋服を着てお客さんを迎えたり、そんなことをOKにして、自分達も楽しんで、そしてお客さんも楽しませることをやりだしたら少し良くなりましたね。

 

――お店を始めた時の思いや、会社が大きくなるにつれて考えられたことなどありますか?


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私がお店を始めたのは、「お金を稼いで楽しようという思いで始めたんです。自分の欲だけでスタートしたんです。でも、3人、4人とスタッフが増えていくに連れ、経営者が満足するだけでは社員が頑張れないと気づき、皆が頑張れる目標設定をまずしました。当初は年商100億、100店舗と掲げ、店が100店舗あれば店長も100人できるし、幹部もできる。店の数、売上というように完全に数字で目標を設定しました。でも、それもやっていくうちにそうじゃないってことが分かってきて、何のためにやるかを勉強しながらやっていくうちに、上記のテーマにもありますが「立派な人間たれ」を目標としてはじめました。そんな中で次は、お客さんは行列を作ってくれるけど、社員を募集しようと思うとなかなか人が集まらず、なぜかを考えた時に、今度は会社に魅力がないからだと気づき、会社が会社のことしか考えていないから、人が集まらない。だからその部分を変えて、会社が世の中を変えていこうと。変えるって良くわからないけど、良くなればいいと思って、そんなことを加えていきました。社会貢献をしていくことで、働く人が会社に魅力を感じてくれたらと始めましたが、そのおかげで長く働く人が増えたりしましたよ。



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