今や全国的にその名を轟かせている、名古屋グルメの代名詞「世界の山ちゃん」だが、その創業が一件の小さな焼き鳥屋から始まったことをご存知だろうか?今から29年前の昭和56年、新栄に産声を上げた4坪13席の小さな店「やまちゃん」。それが今日のピリ辛手羽先の原点となった。創業者は、現在「世界の山ちゃん」を経営するエスワイフード取締役会長、山本重雄氏だ。 現在では全国で62店舗を展開し、名古屋の名物として広く受け入れられている「世界の山ちゃん」が、「元祖の店を知って欲しい」「初心を忘れないでいたい」という思いから今年6月にオープンしたのが、一号店を復刻した「やまちゃん」だ。名駅東の柳橋中央市場に位置する同店は、当時に撮影した写真を資料として細部に渡って再現されており、当時を知っている人はもちろん、昭和を知る世代には懐かしく感じる作りとなっている。 メニューも当時のラインナップを再現し、「手羽先の唐揚げ」(400円)、「串かつ」(80円)といった定番をはじめ、「やきとり」「おでん」(各80円)など、通常の「世界の山ちゃん」とは違った品書きも数多く並ぶ。メニュー表の隣に並ぶ当時の写真を見てみると、メニューをはじめ店内部の作りなど、忠実な再現率に驚くだろう。 復刻店のオープンにはもうひとつの大きな意味がある。一件の小さな店から全国展開するに至ったモチベーションを学ぶ店として、新規経営者を育生する場所にするという側面である。独立をする前にここで3年間修行を積むという、現在の若大将(工藤氏)に対する独立支援の一環を担う役割を持っているのだ。工藤氏の胸には、当時の制服と同じ「年商100億円」の文字が輝く。 もはや名古屋には欠かせない手羽先文化。「やまちゃん」の存在とともに、歴史と発展をどう重ねていくのか。これからの様子に注目だ。
(取材=佐藤 江美)
店舗データ
店名 | 串かつ・やきとり やまちゃん |
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住所 | 名古屋市中村区名駅4-15-26 |
アクセス | 名古屋駅より徒歩5分 |
電話 | 052-564-1017 |
営業時間 | 17:00~深夜(閉店時間は店舗にご確認下さい) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 4坪・13席 |
客単価 | 1800円 |
運営会社 | 株式会社エスワイフード |
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